交通事故削減に大きな期待を集める「透けるトラック」って?

エアバッグや自動ブレーキ、車線逸脱防止機能など、自動車の安全性能は、日進月歩で進化している。なかでも、「サムスン電子」のアイデアは画期的。なんせ、周りを走る他の車に向けて安全を知らせるためのものなのだ。

 後続車に知らせる
前方の視界

Safety_Main

想像してみて欲しい、前を行くトラックを追い越そうと、反対車線に出たとたん…。まさに上の写真のような、ドライバーとしてはヒヤリとする状況だ。
一般的に大型トラックは、乗用車に比べてスピードが遅いもの。そんなことは分かりきっていても、運転中トラックの背後につくと、人間の心理のなかにイライラが湧いてくる。「抜きたくて仕方ない」と心のどこかでそんな気持ちが出てきても不思議はない。

そうして、アクセルを踏み込んで…でも、前方の状況は当然のことながらトラックが死角になって見えるはずもなし。そこに大事故につながる危険性が潜んでいる。サムスン電子が、着目したのはまさにそこだ。

安全を確認したら
「お先にどうぞ」

前述のような状況では、日本国内ではそれほど多くないかもしれない。しかし、サムスン電子によると、アルゼンチンでは、およそ1時間に一人が交通事故により亡くなっているというデータがあり、じつにその80%が車の追い越しのタイミングに発生しているらしい。単車線道路が数百もあるこの国で、サムスン電子は従来にない革新的な安全性能開発に乗り出した。いま、彼らがトラックに搭載し、テスト走行を繰り返している技術が「Safty Truck」だ。

仕組みはいたって簡単。トラックのフロントバンパー部にワイヤレスカメラを装着、その映像を荷台(車体後部)に設置した4台の大型モニターで映し出すというもの。死角になっているはずの前方の視界が、これでクリアになるという訳だ。夜間走行時にも視界を確保できるよう、ナイトモードも同時にテストされている。

スクリーンショット 2015-09-11 23.03.58

サムスン電子の公式ブログ「SAMSUNG TOMORROW」によると、このプロトタイプモデルは残念ながら、まだ公道を走行することは許可されていないらしい。現在、事故のない車社会実現に向け、各国の政府機関と協力し、試験走行を繰り返し実施している最中だ。

Licensed material used with permission by サムスン電子

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。